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ぎふと

たまには書評をやるかな。ていうか、少し前に上げた原稿の一部だったりするんですが(笑)、これから本格的に忙しくなりそうなので、こちらでも少しやっておきましょう。

中沢新一『ミクロコスモスⅠ、Ⅱ』

ミクロ1

ミクロ2

昨年出版されたこの二冊、中沢さんのこの手の著作(エッセイ集風)としては決して読みやすい方ではありません。浅学な僕の手に余る領域もかなりある。なのに、わざわざ取り上げた理由は、『Ⅱ』に掲載された『芸術とプライバシー』という章で、僕が(僕らが)ここ最近拘ってきた分野に関し、かなり明確な「一つの解答」を提示しているからなのだね。


以下、僭越ながらざっと骨子を抜き出させて頂きます。


◎自分が何かを所有しているという考えは、自然発生したものではなく歴史の中でつくられてきた概念である。

◎肉体も脳も「私」であるとは言い切れない。

◎私が最初に「私」になるのは、名前を与えられた時から。

◎子供はいわゆる鏡像段階の過程で自己のイメージを把握し、対象を自己と関連付け、言葉で名付け、自分の世界に組み込んでいく。

◎何かに名前をつけると、それが「私」にとって意味をもつものとなり、「私の財産」となる。

◎子供の言語習得の訓練とは、言葉と名付けによって、自分の周囲に財産を増やしていく過程である。

◎「財産」がなければ「私」にとっての世界は存在せず、「私」もまた存在しない。

◎財産とは、不死、不滅の形態を作り出そうとして生まれる。墓が象徴するように、人間にとってこの衝動は深いところでセットされている。代表例がピラミッドやミイラ。

◎これは根本で言葉の問題に結び付いている。言葉は、動き、変化しているものを静止させ、死に近づけたり、逆に不滅のものにつくりかえる。

◎財産と墓は結びつき、先祖が守り伝えてくれるものである。先祖が生前の活動を通じ、不滅のものに作り替えた物質を譲り伝えていくことにより、子孫はたやすく解体、消滅していく存在の危うさに晒されることなく、世界を確固としたものとして生きていける。

◎財産を組織立てたいという欲望は根深いものであり、社会改造によってたやすく変化するものではない。

◎人は言葉をもつ動物として財産の観念を発生させ、数万年に渡り文明を本質的に決定づけてきた。

◎中世までの所有の概念では、所有物が譲渡されたとき、「私」という存在も譲り渡すことになる。ゆえに、一度「無縁」の空間に譲り渡し変換する必要があった。市(いち)と神仏の関係がそれである。
日本史でこれを変革したのは楽市楽座だった。やがて特定の個人に対応せずにすむ、貨幣交換可能な世界、市場経済につながっていく。

◎コントロール不能な夢も「私」のものではない。

◎絶対的なプライベートは存在しない。それは他者が「私」を通じて私の中につくりあげている幻想である。

◎それでもプライベートな領域があるとすれば、それは個人の記憶にかかわる空間である。

◎言葉の中に「私」の起源はない。それは他者と共有するものである。

◎芸術家とは、社会に共有され得るものの中に自分の真実はないと強烈な直観を抱き続けている人間のことであり、芸術とはそれを原動力に何かを作り続けることである。

◎プライバシーについて考えるとき、法律的問題と芸術のかかわる範囲では次元が違うことを認識しなければならない。

◎芸術は財産にはなりえない。

◎言葉を放棄した人間には「私」を維持することはできない。

◎言葉の中にも社会的表現形態の中にもあらわれない「私」の真実が存在し、それはおそらく財産ですらない。

◎ひとことでいえば、それはギフト、賜物である。それは商品でも財産でもない。

◎我々は贈られたものとしての芸術を擁護しなくてはならない。そこにプライベートの問題が絶対究極の形であらわれる。


ざっとこんな感じかな。まぁ、これだけの分量でダイジェストするというのは荒業なんだけどね(笑)。無論、意見を異にする部分もあるでしょう、僕もあります。が、実はこの章、かなり以前の講演に加筆されたものでして、ここ最近の中沢さんの方向性が凝縮されているようにも感じたんだよね。
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