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光が二人を映し出す

さて、レビューを続けて行きますか。書ける時に書いてしまわないとね。
『Girl With a Pearl Earring』(2003)

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日本でも人気の高いオランダの画家ヨハネス・フェルメールの傑作『真珠の耳飾りの少女』(青いターバンの少女)の誕生にまつわるフィクションです。原作はトレイシー・シュヴァリエという女流作家(下の表紙は廉価版。昔私が読んだのは微妙にデザインの異なる単行本)

内容をどうこう言う以前に、上のカヴァー写真を見れば(特に男は)興味を引かれるよね。主演のスカーレット・ヨハンソン嬢、あの絵のあどけない少女と雰囲気は異なりますが、この映画で見せる清純(そうな)な美貌、抑えた官能性、センスの良い演技力は特筆に価します。監督はピーター・ウェーバーという人。実質的なデビュー作らしいですが、緻密な時代考証、繊細な光と色彩と空間の使い方は、フィルム全域でフェルメール芸術を再現しようとするかのような心意気が伝わってきます。料理仕事のシーンから入るオープニングも秀逸。

舞台は1660年代、オランダ西部の都市デルフト。表向き裕福な(寡作のため家計は苦しい)フェルメール一家のメイドとして、グリートという少女が雇われたところから物語は始まります。一見控え目で地味なこの娘、実は賢く、美的センスに溢れ、しかも美しい。実際、スカーレット嬢の肌の白さが際立っていて、薄暗い室内とのコントラストが鮮やかです。髪は白い頭巾で覆い決して人前では晒さず、豊かな胸も粗末な衣装の下に押し込めています。主人たちの命を受けると体を軽く上下して答える仕草が何とも可愛いらしい。萌えどころです(笑)

やがてフェルメールは彼女の美質を愛し始め、家事から遠ざけ絵の具の調合を手伝わせるようになり、周囲は眉を顰めます。ちなみに、気位の高い彼の妻は毎年のように妊娠していて(笑)、家計を牛耳る義母はやたら居丈高。小憎らしい娘はグリートに意地悪をします。パトロンのオヤジは威張っていて、あげくの果てにグリートちゃんに襲い掛かります。幸い未遂に終わりましたが、この男には殺意を催しました(笑)

そうこうしているうちに、フェルメールは妻の反対を押し切ってグリートを新作のモデルに起用するのです。しかも妻の大切な耳飾りを持ち出して(笑)、後世に残るあの絵を描くわけですな。フェルメールがグリートの耳にピアス穴を開けるシーンが切なく官能的。

当時のヨーロッパ社会の風俗を落ち着いて味わえる品の良い佳作です。目の保養になりますよ。フェルメール作品の正確な遠近法を可能にしたと言われる光学装置『カメラ・オブスクラ』の描写もしっかりあります。
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